ぽんたノベル「超高齢化社会」

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こんにちは!スパークリングぽんたです(^_^)

ぽんたノベルです。

 

 

私は、役員会議のために車で移動していた。

 

高速道路、というものが日本になくなってから、もうずいぶん経つ。

逆走などによる事故がとてつもなく増えたためだ。

自動運転車の実用化が間に合わないので、まぁやむを得ないだろう。

 

車を運転する世代の割合が減ったため、公共のバスや電車はとても発達し便利になった。

よって、会社の駐車場はがらがら。

もったいないので、半分つぶして倉庫を建てた。

 

以前、自転車の駐輪場だった場所に目をやると、シルバー手押し車が、課ごとに分かれたスペースにきちんと並んで停まっている。 

 

 勤続50年の受付嬢の会釈にうなづき、執務室に入って、会議資料に目を通す。

 

……デカい。

 

何がって、文字サイズ。

最近は、あらゆる書類はすべてこんな感じだ。

 

現在、わが社の人間の社員は100名(ロボットは150体)。

年齢別の内訳は、

 

20代~30代、10名。

40代~60代、30名。

70代~80代、60名。

 

つまり、100名のうち90名は老眼なのだ。よって、書類の文字サイズは特大。

 

男女比は、7割が女性。女性のほうが寿命が長いせいか。

女性のおしゃべりはにぎやかで、ランチタイムの社員食堂は、入れ歯のメンテナンスの話題などで盛り上がっている。

 

近年は、かつて社会問題だった若者の非行や、不登校などもほとんどない。

 

子どもはどこの町にもほんの少ししかいないので、「誰さんちの何くん」なのか、町中の住民が知っている。

見かければ声をかけ、見守っている。

学校のひとクラスの人数も、5人くらい。

とにかく目が行き届くのだ。

 

勤続60年の秘書がお茶を持ってきてくれた。

会社の歴史も、私の好みも、すべてわかっている、貴重な人材だ。

彼女が入れたお茶は実にうまい。

ときどき、自家製の梅干を差し入れしてくれる。

 

うむ。

意外にこういう時代も、わるくないかもしれない。

私は満足して、香り立つお茶をすすった。

 

END

 

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(^-^)黄昏のアイランドホッパーの世界の旅(^-^)

人生に極上の思い出を♪

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